放射性ヨウ素には数種類ありますが、とりわけ、ヨウ素-131は、ウランの核分裂によって生成されます。このため、原子力発電所の事故では、最も大量に放出する可能性があります。
大気中に放射性ヨウ素が放出されると、牧草などに付着します。そして、牧草を食べた牛などの家畜から牛乳といった過程で人体に取り込まれて行きます。
放射性ヨウ素が、経口摂取などで人体に取り込まれると、甲状腺に蓄積し、これによって、甲状腺機能障害を引き起こす可能性があります。
特に、乳幼児が被ばくした場合の影響力は大きいとされています。その、一方では、甲状腺がんなどの治療にも用いられております。
放射性ヨウ素が大気中に放出されると、河川などの水に溶けてしまいますが、この時、ヨウ素は陰イオンとなって水中に存在しております。
イオン化していないヨウ素であれば、煮沸を行って取り除くことは可能ですが、イオン化してしまう放射性ヨウ素に関しては、煮沸しても除去は出来ません。
また、イオンは0.15ナノ以下と非常に小さな状態で存在しているため、一般的な家庭用浄水器で使われている活性炭や、日本の浄水場で使われている活性炭でも除去できません。
除去するには、蒸留によって水とイオン化したヨウ素を分離させることですが、全く水滴が付かない状態で蒸留することは、家庭では非常に難しく、また、エネルギー消費も大きいことから、あまり実用的ではありません。
一方、逆浸透による方法は、非常に細かな穴のあいたプラスチック膜を通すことによって、イオンを純水と分離させることができます。この方式を用いたRO浄水器が市販されており、かなりの除去効果が見込めます。
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